大分県九重町にあるくじゅうやまなみキャンプ村は、標高およそ1000メートルの高原に広がるオートキャンプ場です。阿蘇くじゅう国立公園の一角に位置し、くじゅう連山の主峰のひとつである三俣山を間近に望む立地から、登山やドライブの拠点として選ばれています。標高の高さゆえに夏でも涼しく過ごしやすく、周囲に強い光源がほとんどないため、夜になると空一面に星が広がる光景も見られます。やまなみハイウェイからほど近い場所にあり、キャンプと高原ドライブ、星空観賞をまとめて楽しめる立地といえるでしょう。この記事では、くじゅうやまなみキャンプ村の基本情報や料金、星空観賞のコツ、周辺のやまなみハイウェイ沿いの見どころまで、大分県九重町での高原キャンプを計画する人に向けてまとめます。

くじゅうやまなみキャンプ村は九重連山の登山口に近い高原キャンプ場
くじゅうやまなみキャンプ村は、大分県玖珠郡九重町田野267-18に位置するオートキャンプ場です。所在地は阿蘇くじゅう国立公園の内側にあたり、九重連山の登山口としても利用される高原地帯に広がっています。標高は約1000メートルで、開放的な芝生のフリーサイトと、電源付きのオートサイト、冷蔵庫やミニキッチンを備えたケビンという3種類の宿泊スタイルから選べます。ケビンの一部には車椅子でも利用しやすいスロープが設けられており、体の不自由な人や高齢の家族と訪れる場合にも配慮された造りです。
キャンプ場からは三俣山をはじめとする山並みを一望でき、春の新緑、初夏のミヤマキリシマ、秋の紅葉と、季節ごとに違う表情の高原風景が広がります。登山やドライブの拠点として使うキャンパーも多く、大分県内でも高原らしい涼しさと眺望の良さで知られるキャンプ場のひとつです。
アクセスは九重ICから車で約30分、バスなら豊後中村駅から乗り継ぎ
車で向かう場合は、九重インターチェンジから約30分が目安です。九州自動車道または大分自動車道を利用し、九重ICで下りたあと、やまなみハイウェイ方面へ進むルートが一般的とされています。公共交通機関を使う場合は、JR久大本線の豊後中村駅から「牧ノ戸峠行」のバスに乗り、約30分ほどで「コスモス荘前」に到着します。そこから徒歩約10分でキャンプ場に着くため、車を持たない旅行者でもアクセスできます。
標高の高い山間部にあるため、天候や季節によって道路状況が変わりやすい点には注意が必要です。特に冬場は積雪や路面凍結のおそれがあるため、訪問前に道路情報を確認しておくと安心です。
サイト利用料はフリーサイト3850円、オートサイト4400円、ケビン16500円から
くじゅうやまなみキャンプ村の入場料は、大人550円、小学生330円です。そのうえでサイト利用料がかかり、フリーサイトは3,850円から、オートサイトは4,400円から、ケビンは16,500円からとなっています。山開き期間やゴールデンウィーク、夏休み、年末年始などの繁忙期にはサイト利用料が上がり、オートサイトが5,500円、フリーサイトが4,400円になります。訪問時期によって金額が変わるため、計画時には最新の料金を確認しておくとよいでしょう。
| サイト種別 | 通常期の料金 | 繁忙期の料金 |
|---|---|---|
| フリーサイト | 3,850円から | 4,400円 |
| オートサイト | 4,400円から | 5,500円 |
| ケビン | 16,500円から | – |
オートサイトは全40区画すべてに電源とミニキッチンが備え付けられており、雨天時や気温変化の大きい高原地帯でも調理や後片付けがしやすい造りです。フリーサイトは眺望の良い「Aエリア」と、サイトセンターに近く利便性の高い「Bエリア」の2つに分かれており、同行者の年齢層や荷物の量に応じて選べます。共用設備にはコインランドリーとシャワー室が整っているほか、焚き火台やテント、バーベキューセットのレンタルもあるため、道具を持たない人でも身軽に訪れられます。
チェックインとチェックアウトの時間は宿泊タイプで異なります。ケビンはチェックインが16時、チェックアウトが翌日10時です。オートサイトとフリーサイトの宿泊利用は、チェックインが13時、チェックアウトが翌日11時となっています。日帰り利用の場合は、チェックインが11時、チェックアウトが当日16時です。なお、ケビン、オートサイト、フリーサイトのいずれも、ペットの同伴は禁止されています。
予約は電話0973-79-3444のほか「なっぷ」と「楽天トラベル」からも可能
くじゅうやまなみキャンプ村の予約は、電話での受付が基本です。電話番号は0973-79-3444で、利用日の6カ月前の月初から受付が始まります。繁忙期のサイトを希望する場合は、受付開始と同時に連絡するなど早めの行動が確保につながります。
電話予約のほかに、キャンプ場検索・予約サイトの「なっぷ」や、宿泊予約サイトの「楽天トラベル」からも予約できます。空き状況をオンラインで確認しながら決めたい場合は、これらのサイトが役立ちます。公式サイトでも最新情報や施設の詳細が確認できるため、訪問前に目を通しておくと安心です。
星空観賞はやまなみキャンプ村の光害の少なさが理由
くじゅうやまなみキャンプ村が星空目的のキャンパーから支持されている理由は、標高約1000メートルの高原にあり、周囲に強い光を放つ街灯や繁華街がほとんどないことです。天候に恵まれた夜には、肉眼でも数多くの星を確認できます。
キャンプ場の管理人は、星の眺めについて「小さな星の光も感じていただけるよう、深夜は外灯の明りを調整することもあります」と話しており、施設側が照明環境を意識して調整していることがうかがえます。運営側のこうした工夫も、星空の見えやすさを支えているようです。
星空を撮影したい場合は、三脚とカメラを用意し、外灯からできるだけ離れた開けた場所を選ぶとよいでしょう。フリーサイトのような芝生エリアは視界を遮るものが少なく、山並みのシルエットと星空を一緒に収めた写真を撮りやすい環境です。オリオン座流星群やしし座流星群の時期に合わせて訪れるキャンパーもいるようです。
星空を美しく見るコツは新月前後と空気が澄む秋から冬を選ぶこと
星空観賞をより楽しむには、新月に近い時期を選ぶことがポイントです。月明かりが強いと星の輝きが目立ちにくくなるため、月齢カレンダーを事前に確認して訪問日を決めると、より多くの星を楽しめます。また、空気が澄む秋から冬にかけては、夏場に比べて星がくっきり見えやすい傾向があります。
一方で、標高の高いキャンプ場であるぶん、夜間は気温が大きく下がります。口コミでも「標高が高いため夜は寒く、寒さ対策が必要」という声があり、夏場であっても防寒着や厚手のブランケットを準備しておくことが欠かせません。星空観賞のために屋外で長く過ごす予定なら、温かい飲み物も用意しておくと快適に過ごせるでしょう。
久住高原星空の巡りは美しい星空スポット全国2位に選ばれた実績
くじゅうやまなみキャンプ村の近隣で開催される「久住高原星空の巡り」は、旅行口コミサイトの「美しい星空スポット」ランキングで全国2位に選ばれた実績を持つ星空イベントです。くじゅう花公園を会場に、星にまつわるトークや星空ガイド、願いごとを書いたエコバルーンを飛ばす催し、無料で参加できる望遠鏡観望コーナーなどが企画されており、久住高原一帯が九州でも屈指の星空スポットであることを裏付けています。
このイベントの舞台となる久住高原は、標高約850メートルに広がり、大きな都市の明かりがほとんどないことから「天然プラネタリウム」と称されることがあります。環境省が選定する「日本の最も美しい星空」の一つに数えられたこともあり、星空観賞イベントや宿泊施設と組み合わせた星空ツアーも行われています。
久住高原は、くじゅう連山の主峰である久住山(標高1787メートル)の裾野に広がるエリアで、東西約20キロメートル、南北約4キロメートルにわたり、標高600メートルから1100メートルの範囲に位置しています。くじゅうやまなみキャンプ村も、こうした久住高原一帯に共通する澄んだ夜空の恩恵を受けられる立地にあります。キャンプ場での宿泊に合わせて、周辺の星空イベントに足を延ばす楽しみ方もおすすめです。
やまなみハイウェイ沿いの長者原ではタデ原湿原の木道散策が楽しめる
やまなみハイウェイ沿いにある「長者原」は、標高1000メートルから1100メートルほどに位置し、木道が整備された38ヘクタールのタデ原湿原が広がるエリアです。散策コースは3種類あり、バリアフリー対応で所要時間約20分、距離約800メートルの絶景コース、湿原を1周する所要時間約40分、距離約1,500メートルのコース、草原と森を巡る所要時間約60分、距離約2,500メートルのコースから、体力や時間に応じて選べます。
噴煙を上げる硫黄山と三俣山を正面に望む直線道路は、多くのドライバーや写真愛好家に人気があります。明治29年から温泉開発が始まった歴史ある温泉地でもあり、現在はくじゅう連山登山の拠点として四季を通じてにぎわっています。
タデ原湿原は中間湿原としては国内最大級の面積を誇り、マスガヤやミズゴケといった湿原植物が群生しています。7月から9月にかけては花の種類が豊富な時期で、約2週間ごとに見頃の花が入れ替わります。野焼きの後に芽吹く黒い大地に咲く黄色いキスミレも、この時期ならではの見どころです。隣接する長者原ビジターセンターでは自然に関する展示やハイビジョンシアターでくじゅうの四季を紹介しており、湿原散策とあわせて立ち寄る価値があります。
くじゅうやまなみキャンプ村の名前に含まれる「やまなみ」は、この長者原を通る観光道路「やまなみハイウェイ」に由来すると考えられます。やまなみハイウェイは大分県道11号別府阿蘇一の宮線の愛称で、大分県別府市から熊本県阿蘇地域までを結ぶ、九州を代表するドライブコースです。日本の「道の百選」にも選ばれており、大分県側には由布岳の登山口や蛇越峠、くじゅう連山を一望できる展望スポットが点在しています。
くじゅう連山登山は牧ノ戸峠から久住山まで難易度3段階中1の初心者向けコース
くじゅうやまなみキャンプ村は、くじゅう連山登山の拠点としても利用しやすい立地です。登山口として最も人気が高いのは「牧ノ戸峠」で、標高1,333メートルに位置し、九重連山の玄関口といえる場所です。公共駐車場は160台規模で24時間無料で利用でき、売店やバス停が近く、トイレも整っているため、登山初心者でも安心して訪れられます。
牧ノ戸峠からのコースは初心者向けとして知られ、難易度は3段階中の1にあたるとされています。定番のコースは、牧ノ戸峠登山口から沓掛山を経て扇ヶ鼻分岐、久住分かれ避難小屋を通り、久住山山頂を目指すルートです。所要時間の目安は、牧ノ戸峠登山口から沓掛山まで約25分、沓掛山から扇ヶ鼻分岐まで約50分、扇ヶ鼻分岐から久住分かれ避難小屋まで約32分、そこから久住山山頂まで約30分とされており、日帰りで気軽に山頂を目指せます。
歩きごたえのあるコースを求める場合は、久住山とくじゅう連山最高峰の中岳の両方に登る日帰りコースもあります。こちらは歩行距離が10キロメートルを超え、所要時間は約5時間30分となるため、体力や経験に応じて選ぶとよいでしょう。キャンプ場に前泊し、早朝から登山に出発するプランも、くじゅうやまなみキャンプ村ならではの楽しみ方です。
くじゅう花公園は敷地225,000平方メートルに約500種500万本の花
くじゅうやまなみキャンプ村から足を延ばせるスポットとして、「くじゅう花公園」もおすすめです。阿蘇くじゅう国立公園内の久住高原に広がるこの花公園は、敷地面積約225,000平方メートルという西日本最大級の規模を誇り、春から秋にかけて約500種500万本の花が咲きます。春はシバザクラやポピー、夏はラベンダー、秋にはコスモスやマリーゴールド、サルビアなど、季節ごとに違う花景色が楽しめます。
開園時間は8時30分から17時30分まで(最終入園17時)で、料金は大人1,300円、シニア1,100円、小人500円です。シーズン中は無休で営業していますが、12月下旬から2月末までは冬期休園となるため、訪問前に営業状況を確認しておくとよいでしょう。先述の「久住高原星空の巡り」もこの花公園を会場に開催されており、日中は花を楽しみ、夜はキャンプ場に戻って星空を眺めるという周遊プランを組みやすいのも、このエリアの魅力です。
周辺観光は高さ173メートルの九重”夢”大吊橋と1000年の歴史を持つ筋湯温泉が定番
くじゅうやまなみキャンプ村を訪れる際は、周辺の観光スポットもあわせて巡ることで旅程が充実します。まず挙げられるのが「九重”夢”大吊橋」です。歩道専用の吊り橋としては日本一の高さを誇り、高さ173メートル、全長390メートルという規模があります。橋の上からは、日本の滝百選のひとつ「震動の滝」や、新緑と紅葉の名所として知られる「九酔渓」を一望でき、2006年10月30日の開通以来、九重町を代表する観光名所として親しまれています。紅葉は例年10月下旬から色づき始め、見頃のピークは11月上旬から中旬です。
次に「筋湯温泉」も見逃せません。天徳2年、西暦958年の開基という記録が残る、1000年以上の歴史を持つ温泉地です。「日本一のうたせ湯」として知られ、湯治や登山の疲れを癒す場として親しまれてきました。中心にある「筋湯うたせ大浴場」は、約3メートルの高さから湯が打ちつける共同浴場で、男女別の大浴場にそれぞれ18本のうたせ湯が設置されています。泉質はナトリウム-塩化物泉で、営業時間は6時から21時30分まで通年営業しており、入浴料は400円です。キャンプや登山で動いた体を、この温泉で休められます。
標高800メートルから1200メートルにかけてゆるやかな丘陵が広がる「飯田高原」も、阿蘇くじゅう国立公園内の牧歌的な景観が魅力のエリアです。牧ノ戸峠はくじゅう連山登山の代表的な登山口のひとつとしても知られています。温泉、吊り橋、湿原、登山口といった観光資源が周辺に集まっているため、キャンプとドライブ、日帰り観光を組み合わせた旅行プランを立てやすいエリアといえます。
九重町のグルメはだんご汁と豊後牛、地鶏の吉野鶏めしが名物
くじゅうやまなみキャンプ村を訪れる際には、地元九重町ならではのグルメも楽しめます。大分県を代表する郷土料理のひとつが「だんご汁」です。小麦粉を練って平たく伸ばした麺を、味噌仕立ての汁で煮込んだ料理で、もちもちとした食感のだんごと野菜たっぷりの汁が特徴です。高原の涼しい気候の中でキャンプを楽しんだ後に味わう温かいだんご汁は、体を芯から温めてくれます。
九重町では豊後牛や地鶏を使った料理も評判です。地元で育った鶏を使う「吉野鶏めし」など、この土地ならではのご当地グルメが多く、地元の食堂や道の駅などで味わえます。お土産としては、地元のブランド豚を使った「九重”夢”ポーク丼」や、地元食材を使ったご当地バーガーも人気です。九酔渓周辺のお土産処には多彩な特産品が揃っているため、キャンプや観光の帰りに立ち寄ってみるのもよいでしょう。
訪問時の注意点は朝晩の寒暖差対策とペット同伴禁止の2点
くじゅうやまなみキャンプ村を利用するうえでは、標高の高さに由来する注意点があります。まず、標高約1000メートルの高原にあるため、平地に比べて朝晩の寒暖差が大きくなります。夏場でも日中は過ごしやすい一方、夜間は冷え込むため、防寒対策をしっかり準備しておくことが大切です。星空観賞で屋外に長くいる場合は、防寒着や毛布、温かい飲み物を用意しておくと快適に過ごせます。
山間部の高原地帯であることから、天候が変わりやすい点にも注意が必要です。晴天でも急に霧が発生したり、気温が急激に下がったりすることがあるため、雨具や防寒具は季節を問わず携行しておくと安心です。冬場は積雪や凍結のおそれがあるため、訪問前に道路情報を確認し、必要に応じてスタッドレスタイヤやチェーンを準備しておきましょう。
なお、くじゅうやまなみキャンプ村ではケビン、オートサイト、フリーサイトのいずれもペットの同伴が禁止されています。持ち物については、標高の高い高原特有の気候を踏まえ、夏場でも長袖の羽織りものや、星空観賞用の懐中電灯、レジャーシートを準備しておくと、夜間の行動がより快適になるでしょう。
大分県九重町で高原キャンプと星空観賞を一度に楽しむならくじゅうやまなみキャンプ村
くじゅうやまなみキャンプ村は、大分県九重町の標高約1000メートルの高原に位置し、くじゅう連山や三俣山の眺望と、光害の少ない夜空のもとで楽しめる星空が魅力のキャンプ場です。フリーサイト、オートサイト、ケビンという3つの宿泊スタイルから選べる柔軟さに加え、コインランドリーやシャワーといった設備も整っており、キャンプ初心者からベテランまで利用しやすい環境です。
星空観賞を目的に訪れるなら、新月に近い時期や空気が澄む秋から冬にかけての時期を選び、防寒対策を万全にして臨むと満足度の高い体験につながります。九重”夢”大吊橋や筋湯温泉、長者原、飯田高原といった周辺観光スポットも豊富にあり、キャンプと観光を組み合わせた旅行プランを立てやすい点も魅力です。予約は電話や「なっぷ」「楽天トラベル」からでき、繁忙期は早めの予約が推奨されます。登山や湿原散策、花公園、温泉、グルメと、周辺には多彩な楽しみ方が揃っているため、一泊二日はもちろん、余裕を持った二泊三日の旅程を組んで高原の魅力をじっくり味わうのもよいでしょう。訪問前には最新の料金や予約状況、道路状況を確認したうえで、大分県九重町の澄んだ夜空とやまなみの景色を楽しんでみてください。








