山梨県南巨摩郡身延町の本栖湖畔にある浩庵キャンプ場は、千円札の裏面に描かれた富士山とほぼ同じ構図を湖越しに眺められるキャンプ場です。フリーサイト制で区画が決まっていないため、ソロキャンプで訪れても自分の好みの場所にテントを張りやすいという特徴があります。アニメ「ゆるキャン△」第1話の舞台としても知られ、休日は予約開始と同時に人気サイトが埋まるほどの混雑ぶりです。ここでは、アクセス方法や予約のコツ、料金の目安、富士山ビューを楽しむための時間帯まで、ソロキャンプで浩庵キャンプ場を訪れる前に押さえておきたい情報を整理しました。

浩庵キャンプ場は千円札と同じ富士山の構図が見られる湖畔の一角
本栖湖は富士五湖の中でもっとも水深が深く、水の透明度が高いことで知られる湖です。その湖面越しにそびえる富士山は「日本一美しい富士山の眺め」と称されることもあり、写真家の岡田紅陽氏が撮影した「湖畔の春」という作品が、旧五千円紙幣や現在の千円紙幣の裏面図案の原型になりました。キャンプをしながら紙幣と同じ景色を目の前にできる場所は、全国を見渡してもそう多くありません。
近年はゆるキャン△の聖地としての知名度も上がり、作品を知らない人でも「富士山がきれいに見えるキャンプ場」として訪れるケースが増えています。週末や祝日は特に混雑しやすく、ソロキャンプで湖畔の特等席を狙うなら、平日を選ぶか早朝のチェックインを狙うかのどちらかが現実的な作戦になります。
アクセスは河口湖インターから車で約25分が目安
車で向かう場合、東京方面からは中央自動車道の河口湖インターチェンジで下りて国道139号線経由で約25分です。関西方面からは東名高速の富士インターチェンジから国道139号線経由で約40分、甲府方面からは中部横断自動車道の増穂インターチェンジから国道52号線と300号線を経由して約40分が目安になります。
公共交通機関を使う場合は、富士急行線の河口湖駅、JR東海道新幹線の新富士駅、JR身延線の甲斐常葉駅のいずれからも車で約40分というアクセスです。甲斐常葉駅からはバスも出ており、バスでも約40分ほどでキャンプ場周辺まで到着できます。ソロキャンプでバイクや公共交通機関を組み合わせて訪れるキャンパーも珍しくありません。
キャンプ場には利用者用の駐車場があり、サイト内への車両乗り入れも可能です。ただし人気のフリーサイトということもあり、繁忙期はサイトの奥まで車を入れるのに時間がかかることもあるため、余裕を持ったスケジュールで向かうのが無難です。
予約は公式サイト限定で60日前0時から争奪戦になる
浩庵キャンプ場の予約は、公式サイトからのみ受け付けています。「なっぷ」のような外部の予約サイトでは予約ができないので、この点は事前に押さえておく必要があります。予約時には希望日、チェックインの時間帯、利用人数、キャンプスタイルなどを入力して確定させる仕組みです。
予約は利用日の60日前の午前0時から受け付けが始まります。本栖湖と富士山を同時に望める人気の「湖畔サイト」は争奪戦になりやすく、予約開始直後に埋まってしまうことも珍しくありません。ソロキャンプで湖畔の特等席を狙いたいなら、60日前の予約開始時刻をカレンダーに登録しておき、開始と同時にアクセスする準備をしておくと安心です。
浩庵キャンプ場はフリーサイト制のため、区画が決まっているわけではありません。予約の段階ではどの場所にテントを設営できるかは確定しておらず、当日の到着順やチェックインのタイミングによって実際に張れる場所が変わります。少しでも良い場所を確保したいなら、チェックイン開始時間である8時から11時ごろの早い時間帯の予約枠を選ぶのがセオリーです。早めに入場できれば設営にも余裕が生まれ、湖畔サイトが空いている確率も高くなります。
料金はソロキャンプなら合計3000円台が目安
料金体系はやや細かく設定されています。施設使用料は大人1人1,000円、小人600円で、テント1張りのサイト使用料が1,400円程度です。バイクで訪れる場合は駐車料金として1泊600円から800円程度が別途かかります。テントサイトの通常料金(平日)の目安は3,200円程度という情報もありますが、曜日や祝日、シーズンによって変わるため、最新の金額は公式サイトで確認してください。
ソロキャンプの場合は、施設使用料(大人1名分)、テント1張り分のサイト使用料、バイクで来る場合はバイク駐車料を合算した金額が総費用の目安になります。おおむね3,000円前後で収まる計算です。
テント泊にこだわらない場合は、キャビンに宿泊するという選択肢もあります。キャビンは定員6名で寝具付きの場合1泊17,280円程度、定員10名で寝具付きの場合1泊32,400円程度が目安とされ、暖房費が1,000円程度、リネン代(枕カバー・シーツ)が1組300円程度別途かかります。ソロキャンプで使うには定員に対して割高になりやすく、テント泊が現実的な選択肢になりますが、悪天候時の代替プランとして頭に入れておくと安心です。キャビンは冬季の12月から3月にかけて閉鎖されるので、この時期は選択肢に入らない点も覚えておきましょう。
| 項目 | 料金の目安 |
|---|---|
| 施設使用料(大人) | 1,000円 |
| 施設使用料(小人) | 600円 |
| テント1張りのサイト使用料 | 1,400円程度 |
| バイク駐車料(1泊) | 600円から800円程度 |
| テントサイト通常料金(平日目安) | 3,200円程度 |
| キャビン6名(寝具付き) | 17,280円程度 |
| キャビン10名(寝具付き) | 32,400円程度 |
サイト選びは湖畔サイトと浩庵テント村で富士山の見え方が変わる
浩庵キャンプ場には、本館周辺の湖畔に近いエリアと、本館から本栖湖の南岸へ約3キロメートル離れた場所にある「浩庵テント村(第2テント村)」があります。テント村は約26,000平方メートルの林間エリアにテントサイトとロッジが点在しており、湖畔の混雑を避けてゆったり過ごしたい人に向いています。
本栖湖越しに富士山を正面から望める湖畔サイトは、千円札と同じ構図で富士山を眺めながら過ごせる特等席です。ソロキャンプなら必要なスペースはさほど広くないため、多少の隙間を見つけて湖畔にテントを設営できるチャンスもあります。とはいえ人気サイトゆえに競争率は高く、早朝からのチェックインと、荷物を最小限にした身軽な移動がものを言います。
林間エリアは木々に囲まれているため直射日光や風を避けやすく、夏場の暑さ対策や、風の強い日にも比較的快適に過ごせます。実際に訪れたキャンパーの体験談では、林間サイトでも樹木の間から富士山を望める場所があり、湖畔サイトほどの競争率でなくても絶景を楽しめるという声も見られました。富士山ビューを最優先にするか、快適性を優先するかで、選ぶべきエリアは変わってきます。
なお湖畔サイトの中でも、最前列は湖に向かってやや傾斜がついている場所が多く、テントやタープの設営にひと工夫が必要になることがあります。最前列より少し後ろに下がったエリアは相対的に地面が平らで、設営のしやすさと富士山の見え方のバランスが取りやすいという口コミも見られました。初めて訪れるソロキャンパーは、最前列だけにこだわらず、少し後方のスペースも候補に入れておくと設営がスムーズに進みます。
浩庵テント村には、テントサイトのほかロッジ風の「本栖湖山荘」が併設されています。場内には管理棟、自動販売機、炊事棟、バーベキュー施設、温水シャワー、お風呂といった設備が整っており、本館周辺の湖畔エリアと比べると利用料金が抑えられている点も特徴です。湖畔の競争率の高さを避けて落ち着いた雰囲気で焚き火時間を楽しみたいソロキャンパーには、こちらの穴場エリアも検討する価値があります。
富士山ビューを楽しむなら日の出前後の湖面が狙い目
浩庵キャンプ場から望む富士山の魅力を最大限に味わうなら、時間帯選びが重要になります。本栖湖の湖面がもっとも穏やかになりやすいのは、日の出前後の早朝です。日中は気温の上昇とともに風が出やすく、湖面にさざ波が立つため、富士山が湖面に映り込む「逆さ富士」を鮮明に捉えるのは難しくなります。鏡のように富士山が映り込む一枚を狙うなら、空気が安定している夜明け前後にカメラを構えるのがおすすめです。ソロキャンプなら周囲を気にせず自分のペースで早朝の湖畔に出られるのも利点です。
さらに一歩踏み込んだ絶景を求めるなら、キャンプ場近くの公衆トイレ横から山道を30分ほど登った先にある「中ノ倉峠展望台」がおすすめです。ここからは本栖湖を眼下に見下ろしながら、その奥にそびえる富士山という大パノラマを一望でき、千円札のデザインそのものの構図を体感できます。多少の登山装備と体力は必要になりますが、キャンプの合間に立ち寄る価値は十分にあります。
季節による見どころとしては、例年12月上旬から1月上旬ごろにかけて、富士山の頂上に太陽が重なる「ダイヤモンド富士」を望めるタイミングがあります。冬場は空気が澄んで富士山がくっきり見える日が多いため、防寒対策をしっかりした上での冬ソロキャンプは、夏場とは違った絶景体験になります。混雑を避けたいなら、平日や午前中の訪問が比較的快適です。
ゆるキャン△第1話の舞台としても知られる本栖湖畔
浩庵キャンプ場は、アニメ・漫画「ゆるキャン△」の記念すべき第1話の舞台としてファンの間で広く知られています。作中では本栖湖の北岸を舞台に、キャンプ初心者の各務原なでしこが、湖畔でひとりキャンプを楽しんでいた志摩リンと出会う名シーンが描かれました。湖畔でのんびり過ごすリンの姿、焚き火を眺めながら過ごす静かな時間は、このキャンプ場の雰囲気そのものです。
放送を機に聖地巡礼としてこの場所を訪れるファンが増え、今では作品を知らない人でも「富士山が綺麗に見えるキャンプ場」として認知されるほどの人気スポットになっています。ソロキャンプでこの地を訪れれば、作中のキャラクターたちと同じように、湖畔で静かに焚き火を囲みながら富士山を眺めるという体験ができるでしょう。
場内設備と水上アクティビティ
場内には共同炊事場、トイレ、24時間利用可能なコインシャワー、管理棟にはお風呂も用意されています。ただしトイレは基本的に1箇所にまとまっているため、湖畔の離れた場所にテントを設営した場合は、用を足すためにやや距離を歩く必要がある点は覚えておきましょう。
受付と売店は、中ノ倉トンネル手前にある建物にまとまっており、お風呂やウォーターアクティビティのレンタル受付もここで行っています。売店では薪やホワイトガソリンといったキャンプに必要な燃料類のほか、食材やお酒、アイスクリームなど、ちょっとした買い出しに困らない品ぞろえが用意されています。ソロキャンプで荷物を最小限にしたい場合、現地調達できるものは売店で揃えるという選択肢も検討できます。
本栖湖畔に位置していることから、ウィンドサーフィンやカヌー、パドルボートといった水上のレジャーを楽しむ人にも人気のスポットです。提携するレンタル業者を通じて道具のレンタルができるため、手ぶらでも湖上のアクティビティに挑戦できます。湖上から見上げる富士山もまた格別で、テントサイトから眺める景色とはひと味違った角度からの絶景を楽しめます。冬場にはワカサギ釣りを楽しむ人の姿も見られ、四季を通じてさまざまな遊び方ができるのも本栖湖エリアの特徴です。
ソロキャンプなら焚き火と星空を独り占めできる
浩庵キャンプ場は、ファミリーキャンパーやグループキャンパーだけでなく、ソロキャンパーにとっても居心地の良い場所です。フリーサイト制であるため、区画キャンプ場のように決められたスペースに縛られることなく、自分の好きな場所、好きな角度で富士山を眺めながらテントを設営できます。
ソロキャンプならではの楽しみ方としては、まず夜明け前に一人で目を覚まし、湖畔に立って朝焼けに染まる富士山を眺める時間が挙げられます。誰にも気兼ねすることなく、自分のペースでコーヒーを淹れながら静かな朝を過ごせるのは、ソロキャンプの醍醐味です。
夜は直火が許可されているため、焚き火を囲みながら星空と富士山のシルエットを楽しむのもおすすめです。ただし湖畔沿いは風が強くなることがあるため、焚き火台や薪の管理には十分注意しましょう。一人だからこそ、焚き火の炎をじっくり見つめながら物思いにふける時間を存分に味わえます。
荷物については、テント、寝袋、マット、焚き火台、調理器具といった基本装備に加え、標高がある立地のため朝晩の冷え込み対策として防寒着を多めに用意しておくと安心です。特に秋から冬にかけては気温差が大きくなるため、季節に応じたレイヤリングを意識した装備選びが快適なソロキャンプの鍵になります。
実際に浩庵キャンプ場でソロキャンプを経験したキャンパーの体験談では、冬の新月の夜に訪れると、周囲に強い灯りが少ないこともあって空気が澄み渡り、北極星を中心に無数の星が浮かび上がる星空に出会えたという声が多く聞かれます。冬の大三角や北斗七星をはっきりと観察できるほどの星空は、都会では味わえない時間になるはずです。焚き火の炎を見つめながらふと顔を上げると満天の星が広がっている、というのはソロキャンプならではの瞬間でしょう。
湖上アクティビティを楽しみたい場合は、朝9時ごろまでの時間帯が狙い目です。この時間帯は風がほとんどなく水面が穏やかなため、カヌーやSUPで湖上に漕ぎ出しても快適に楽しめます。朝一番で湖上アクティビティを済ませてから、ゆったりとテントサイトで一日を過ごすという流れも、ソロキャンプならではの時間の使い方です。
直火は可能でも炭の持ち帰りとチェックアウト10時は厳守
浩庵キャンプ場では直火での焚き火が可能というのは大きな魅力ですが、押さえておきたいルールがいくつかあります。まず、使用済みの炭をはじめとしたゴミは、キャンプ場内で処分することができません。炭を持ち帰れないと困るので、火消し壺を持参することはほぼ必須と考えておきましょう。
花火は21時までとされており、他の利用者の迷惑にならないよう配慮することが求められます。ペットを同伴する場合も、他の利用者への配慮が必要です。また、音響機器の使用や発電機の使用は禁止されているため、静かな環境で自然を楽しみたいというキャンプ場の方針を尊重した過ごし方を心がけましょう。
チェックアウトの時間は10時と、一般的なキャンプ場と比べてやや早めに設定されています。前日の夜はゆっくり過ごしつつも、翌朝の撤収はスムーズに進められるよう、前もって片付けの段取りをイメージしておくと慌てずに済みます。
周辺は朝霧高原と中ノ倉峠展望台が定番の立ち寄り先
浩庵キャンプ場から車で10分ほど南へ向かうと、朝霧高原エリアに到着します。ここには道の駅朝霧高原があり、地元の新鮮な野菜やお土産、特産品が並ぶほか、人気のソフトクリームも味わえます。裏手には朝霧高原の草原越しに富士山を望めるフォトスポットの展望台もあり、キャンプの前後に立ち寄るのにぴったりの場所です。営業時間は3月から11月が8時から17時30分、12月から2月は8時から17時までとなっています。
朝霧高原周辺には「ふもとっぱらキャンプ場」をはじめとした人気キャンプ場や、パラグライダー体験ができる施設も点在しており、アウトドア好きには見逃せないエリアが広がっています。反対方向には道の駅なるさわがあり、山梨近郊で採れた新鮮な野菜や、山梨県ならではのお土産物を数多く取り扱っています。キャンプの買い出しや帰り道の休憩スポットとして活用しやすい立地です。
前述の中ノ倉峠展望台まで足を延ばせば、本栖湖と富士山を同時に見下ろす大パノラマを堪能できます。多少の運動にはなりますが、キャンプの合間や早朝の散策として挑戦してみる価値は十分にあります。
季節ごとの富士山の表情も変わる
春は新緑と富士山のコントラストが美しく、比較的過ごしやすい気候の中でキャンプを楽しめる季節です。夏は湖上アクティビティが充実し、日中は湖畔で涼を取りながら過ごせますが、標高があるぶん朝晩は冷え込むこともあり、寒さ対策は夏でも油断できません。
秋は空気が澄んで富士山の輪郭がくっきりと浮かび上がる季節で、紅葉と富士山を同時に楽しめるのも魅力のひとつです。冬はダイヤモンド富士が見られるチャンスがあるほか、空気の透明度がもっとも高くなる季節でもあり、条件が揃えば富士山の絶景に出会えます。防寒装備さえしっかりしていれば、冬のソロキャンプは最もおすすめしたいシーズンとも言えるでしょう。
ソロキャンプで浩庵を訪れるなら60日前の予約開始が最重要
浩庵キャンプ場は、本栖湖越しに望む富士山という唯一無二のロケーションと、直火が可能な自由度の高さ、そしてゆるキャン△の聖地という物語性を兼ね備えたキャンプ場です。フリーサイト制のため、ソロキャンパーでも自分のペースで場所を選び、静かな朝や焚き火の夜を味わえます。
一方で、人気ゆえの予約競争の激しさや、湖畔サイトの争奪戦、ゴミの持ち帰りルールなど、事前に知っておくべき注意点も少なくありません。60日前の予約開始時刻を押さえること、早めのチェックインを狙うこと、火消し壺などの装備を準備しておくことが、快適なソロキャンプを実現するための第一歩になります。千円札の富士山と同じ景色を目の前にしながら過ごす一夜は、忘れられない体験になるはずです。次のソロキャンプの計画には、浩庵キャンプ場を候補に加えてみてはどうでしょうか。








