山梨県道志村にある大栗オートキャンプ場は、道志川沿いのフリーサイトで直火ができる数少ないキャンプ場です。区画整理をしていない自由な設営スタイルと、地面に直接薪を組んで焚き火ができる環境から、一人で静かに過ごしたいソロキャンパーからの支持を集めています。都留インターチェンジからおよそ22キロメートル、車で40分前後の距離にあり、対岸に設けられたテント専用サイトへは無料のゴンドラで荷物を運べる仕組みになっています。この記事では、アクセスや料金といった基本情報に加えて、直火を楽しむ際のマナー、ソロキャンプでの過ごし方、増水時に気をつけたい点、周辺の買い出しや温泉情報までをまとめました。道志村エリアでキャンプ場を探している人や、直火に興味がある人の参考になればと思います。
道志村は山梨県の村としては最東端に位置し、人口はおよそ1000人という小さな山村です。清流道志川の源流域にあたる緑豊かな土地で、明治30年に横浜市水道局が道志川からの取水を始めて以来、村の総面積のおよそ36パーセントを横浜市水道局が所有しているという珍しい歴史を持っています。水源を守るための開発規制が続いてきたことが、道志川流域の自然を今の姿のまま残す一因になったとも考えられます。道志みち沿いには大小合わせて30以上のキャンプ場が並んでおり、関東圏でも有数のキャンプ場密集地として知られるようになりました。大栗オートキャンプ場は、そうした密集地の中でもフリーサイトと直火という組み合わせで独自の立ち位置を保っている場所です。

都留ICと相模湖IC、道志みちでのアクセス時間は40分から60分
道志村にある大栗オートキャンプ場へは、中央自動車道の都留インターチェンジを使うルートが最短です。都留ICを降りて県道24号線から国道413号線、通称道志みちに入り、道志川沿いを津久井方面へ進むと、大栗橋を渡った先に入口が見えてきます。都留ICからの距離はおよそ22キロメートルで、所要時間は40分前後が目安になります。反対方向の相模湖インターチェンジからも入ることができ、こちらは60分程度かかるようです。
道志みちは道志川に沿ってカーブが続く山道で、夜間や雨天、積雪期には見通しが悪くなる区間もあります。ソロキャンプで一人運転をする場合は、日没前に到着できるよう時間に余裕を持って出発したいところです。公共交通機関でのアクセスはほぼ想定されておらず、車を持たない場合はレンタカーを借りるのが現実的な選択になります。
直火が可能な数少ないキャンプ場、灰の後片付けが必須マナー
直火とは、焚き火台やシートを使わず地面に直接薪を組んで火を焚くスタイルのことです。多くのキャンプ場が地面へのダメージを理由に直火を禁止し、焚き火台の使用を義務付けているなか、大栗オートキャンプ場は直火が認められている数少ない場所として、道志村エリアの直火可能なキャンプ場をまとめた記事でも紹介されているようです。地面と炎が直接触れ合う独特の熱の伝わり方や、薪が爆ぜる音、焚き火跡に残る炭化した土の感触は、焚き火台に慣れたキャンパーには新鮮な体験になるでしょう。
全国的に見ると、直火を禁止するキャンプ場のほうが今は主流になっています。理由としては、キャンプブームによる利用者の増加で後片付けをしないまま帰ってしまう人が目立つようになったこと、炎や煙、灰による自然破壊、過去に起きた火災事故、放置された炭による景観の悪化などが挙げられているようです。地面の表面には枯葉だけでなく微生物の層や植物の根があり、一度焦土になると回復に長い時間がかかるようです。こうした背景を踏まえると、大栗オートキャンプ場で直火が続けられていること自体が、利用者一人ひとりのマナーの上に成り立っている状態だと言えそうです。
ただし直火が許されているからといって、どこでも自由に燃やしてよいわけではありません。利用後は燃え残った薪や消し炭を放置せず、灰は指定の場所で処理するか持ち帰るのが基本のマナーです。同じ場所を繰り返し使う、指定エリア内にとどめるといった配慮も欠かせません。薪は乾燥したものを用意しないと煙が多く出て火が安定しにくく、強風時や乾燥注意報が出ている日は無理に焚き火をしない判断も必要になります。フリーサイト制で隣との距離感が自分たち次第になる分、後から来る利用者や自然環境への気配りが、このキャンプ場を長く使える状態に保つ鍵になります。
ソロキャンプなら対岸のテント専用サイトと無料ゴンドラが向いている
大栗オートキャンプ場をソロキャンプで使うなら、道志川対岸のテント専用サイトを検討する価値があります。荷物を運ぶための無料のゴンドラが設置されており、川を挟んで喧騒から離れた場所にテントを設営できます。川のせせらぎだけが聞こえる環境で一夜を過ごせるのは、このキャンプ場ならではの体験と言えそうです。
焚き火のほうも、誰にも急かされず薪を組んで火を育てる時間そのものがソロキャンプの醍醐味になります。地面に直接火床を作るところから始められるのは、直火が可能なキャンプ場でしか味わえない部分です。道志川は水深が浅く流れも穏やかなため、一人でも川に入りやすく、渓流釣りや読書、コーヒータイムを楽しむ人もいるようです。一方でフリーサイト制のため、繁忙期には他のグループとの距離が近くなることもあります。静けさを重視するなら、平日や閑散期を狙って訪れるのがおすすめです。
ソロキャンパーの多くは、仲間との日程調整や気遣いから離れて、自分のペースで過ごせる点に魅力を感じているようです。グループキャンプでは周りのペースに合わせる場面が増えますが、一人であれば起きる時間も焚き火をやめるタイミングも自分次第です。休日の朝に思い立って身軽に出かけられるのも、ソロキャンプならではの気楽さと言えるでしょう。大栗オートキャンプ場のように設備が簡素でワイルドな場所は、こうした一人時間の価値を重視する人との相性がよいのかもしれません。
料金はソロで2800円前後、入場料・駐車料・サイト使用料の3本立て
大栗オートキャンプ場の料金は、入場料、駐車料、サイト使用料がそれぞれ個別に設定されています。
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| 入場料(大人) | 800円 |
| 入場料(小人・小学生以下) | 600円 |
| 駐車料(普通車1台) | 1000円 |
| サイト使用料(テント1張り・4人まで) | 1000円 |
| AC電源使用料(希望者のみ) | 1000円 |
| バンガロー宿泊 | 5000円・6000円 |
ソロキャンプの場合、入場料800円、駐車料1000円、サイト使用料1000円を合計するとおよそ2800円が目安になります。電源を使わなければこの金額に収まる計算です。区画サイト制の高規格キャンプ場と比べると割安な部類ですが、設備はシンプルで、そのぶん料金も抑えられている印象です。バンガローも用意されており、テントを持っていない場合や悪天候が予想される日の代わりの手段として使えます。料金は改定されることがあるため、訪れる前に電話で最新情報を確認しておくと安心です。
予約は平日不要、土日祝とお盆は管理人宅への電話予約が必須
平日については予約なしで利用できるとされていますが、土曜・日曜、ゴールデンウィーク、お盆期間などの繁忙期は事前予約が必要です。予約先は管理人宅の電話番号(0554-52-2145)で、ネット予約の仕組みは整っていないため、電話で直接連絡するのが基本になります。
ソロキャンプで平日に訪れるなら予約なしでもふらっと立ち寄れる可能性は高いものの、当日の川の状態を電話で確認しておくほうが無難です。道志川は雨が降ると増水しやすい河川なので、前日や当日の天候によってサイトの状況が変わることも考えられます。運営は地元の管理人が担っており、アットホームな対応が期待できる一方、大手キャンプ場のような手厚いサービスはあまり期待しないほうがよさそうです。
炊事棟とトイレはくみ取り式、口コミは設備面で評価が分かれる
場内には炊事棟が設置され、調理や食器洗いに使えます。トイレはくみ取り式で、水洗トイレに慣れている人にとっては不便に感じる部分かもしれません。雨天時にも使える屋根付きの野外バーベキュー場もあり、日帰りのデイキャンプ利用にも対応しています。
口コミを見ると、評価は大きく二つに分かれるようです。肯定的な意見では、川と森に囲まれた自由な空間がワイルドキャンプ派の隠れ家スポットになっている、ありのままの自然が残っておりアユ釣りも楽しめるといった声が見られます。一方で、場内に古びた学校机や椅子のようなものが放置されていた、炊事棟がクモの巣だらけで水が出ない箇所があった、トイレの清掃状態が十分でなかったという指摘もあります。雨天時の増水についても、管理人からのアナウンスが十分でなく不安を感じたという声がありました。自然のワイルドさをそのまま楽しみたい人には向いていますが、清潔な設備や手厚い管理を重視するなら、訪れる前に自分がどちらのタイプかを整理しておいたほうがよさそうです。
営業は例年3月から11月頃、春夏秋で変わる道志川の表情
大栗オートキャンプ場は例年3月から11月頃まで営業しており、積雪や気候によって変動する可能性があります。冬季は多くの年で休止しているとみられるため、訪問前に管理人へ電話で営業状況を確認しておくと確実です。
春は雪解け水で道志川の水量がやや多くなる時期で、新緑が芽吹き始めた清々しい空気が魅力になります。虫の発生が少なく、焚き火や直火をじっくり楽しむには快適な季節ですが、朝晩は冷え込むため防寒着やシュラフの準備が必要です。夏はもっとも賑わう季節で、川遊びやニジマス、ヤマメのつかみ取り体験ができます。標高約600メートルの立地のため都心部より気温は低めで、夜は過ごしやすいようです。ただし梅雨や台風の時期は道志川が増水しやすく、安全面への配慮がより重要になります。秋は紅葉のシーズンで、道志みちを彩る山々の色づきを眺めながらのドライブも楽しめます。気温が下がる分だけ焚き火の炎が恋しくなる季節で、ソロキャンプでじっくり火を囲むにはちょうどよいタイミングと言えそうです。日没が早まるため、サイト設営は早めに済ませておきたいところです。
三ヶ木での買い出しと道志の湯での入浴が定番の組み合わせ
道志みちに入ると、その先およそ35キロメートルにわたってスーパーもコンビニもない区間が続きます。この区間に道志村エリアの多くのキャンプ場が点在しているため、道志みちに入る前に買い出しを済ませておくことが欠かせません。道志みちの入口にあたる三ヶ木交差点周辺には、アウトドアショップのCAMP&CRAFT、ホームセンターのコメリ、スーパーのマルエツ、ドラッグストアのクリエイト、100円ショップのワッツなどが集まっており、食材や日用品、キャンプ用品の追加購入までこの一帯でほぼ完結できます。ソロキャンプであれば、食材の量を調整しながらここでまとめて調達しておくのが賢いやり方です。近年は道志村内にローソンがオープンしており、薪や炭、お弁当や飲み物を補える最終補給地点として覚えておくと便利です。
キャンプ後は日帰り温泉施設の道志の湯が定番の締めくくりになります。入浴料は大人1人700円とリーズナブルで、道志村を訪れるキャンパーの多くが立ち寄るスポットになっているようです。男湯・女湯それぞれに内湯と露天風呂があり、露天風呂では道志川の支流のせせらぎを聞きながら湯につかることができます。ソロキャンプの帰り際に温泉でさっぱりしてから帰路につく、という流れを組み立てるのもよさそうです。
増水と雷雨への備えが道志川沿いキャンプでは欠かせない
道志川沿いのキャンプ場に共通する注意点として、河川の増水リスクがあります。大雨が降ると水位が急上昇し、氾濫注意水位に達するような状況が生じることがあるようです。実際に河川の増水でキャンプ利用者が水に流される事故が過去に発生した例も報告されており、その多くは事前の注意喚起や避難指示を軽視したことが被害の拡大につながったとされています。フリーサイト制の大栗オートキャンプ場では、川に近い場所ほど開放感があり魅力的に見えますが、増水時のリスクも同時に高くなります。ソロキャンプの場合、増水時に助けを求めにくい状況に陥る可能性もあるため注意が必要です。
訪問前には道志村周辺の天気予報と河川水位情報を確認し、大雨や雷雨の予報が出ているなら日程の変更も検討したいところです。テントを設営する際は、増水時にも安全な高さと川からの距離を確保できる場所を選び、川面との高低差が小さい場所は避けるのが賢明です。夜間に雨脚が強まった場合にすぐ移動できるよう、荷物をまとめておく、テントの入口付近に貴重品や避難用の靴を置いておくといった準備もしておきたいところです。管理人からの案内が必ずしも十分ではない可能性を踏まえ、自分自身でも天候や川の様子の変化に気を配る姿勢を持っておくと安心です。雷鳴が聞こえるときは、増水だけでなく落雷のリスクも考えて、車内など安全な場所に一時的に退避する選択肢も持っておくとよいでしょう。標高が高く谷あいに位置する地形では、天候の変化が都市部よりも急に感じられることがあります。晴れていても午後から急に雲行きが変わることもあるため、天気予報だけに頼らず、空模様の変化にも注意を払っておきたいところです。
久保吊り橋や道の駅どうしなど周辺観光との組み合わせ方
大栗オートキャンプ場を拠点にする場合、道志村や周辺エリアの観光を組み合わせると行程が充実します。道の駅どうしは道志村の特産品を購入できる直売所で、軽食レストランの手づくりキッチンでは、道志村の特産品であるクレソンを練り込んだふるさとうどんが名物として親しまれています。買い出しの延長として新鮮な地場野菜を調達できるのも魅力です。
久保吊り橋は全長約71メートル、高さ約34メートルの吊り橋で、大室山の登山口付近にあります。SNS映えする絶景スポットとして話題になっているようで、キャンプの合間に足を延ばす人も多いようです。的様の滝は、地元で毎年4月に祭礼が行われるなど古くから道志村の人々に親しまれてきた滝で、観光地化されすぎていない素朴さがあります。大室山は標高1587メートルで、ブナ林を抜ける登山道が整備されていますが、本格的な登山装備が必要になるため、時間と体力に余裕があるときに挑戦するのがよさそうです。
道志村は富士五湖エリアの河口湖や山中湖にも比較的近く、道志みちを富士山方面へ進めばこれらの湖畔エリアにもアクセスできます。キャンプの翌日に足を延ばして富士山や湖の景色を楽しむ、という周遊プランを組む人も少なくないようです。道志村には大栗オートキャンプ場のほかにも30以上のキャンプ場が点在しており、都心からのアクセスの良さと自然環境の豊かさから多くのアウトドアファンに支持されているエリアです。
直火キャンプ前に揃えておきたい持ち物と確認事項
天候と増水への備えとしては、豪雨の予報が出ている際に事前に電話で状況を確認しておくことが挙げられます。増水時は川遊びやサイト設営位置に十分な注意が必要で、管理人からの案内が十分でない可能性も踏まえて、自分自身でも川の水位や天候の変化に気を配る姿勢が求められます。虫や野生動物への対策も欠かせません。山間部の渓流沿いという立地上、夏場は虫が多く発生するため、虫除けスプレーや蚊取り線香、長袖の着替えを準備しておくとよいでしょう。野生動物との遭遇にも注意し、食料の管理は徹底したいところです。
トイレと水回りについては、くみ取り式トイレであることや炊事棟の設備が簡素である可能性を踏まえ、除菌シートやトイレットペーパーの予備、簡易的な水回り用品を持参しておくと安心です。焚き火と直火の用品としては、乾燥した薪、着火剤、火ばさみ、耐熱手袋、火の始末に使うバケツや水を用意しておきましょう。焚き火跡の片付けに使うスコップや火消し壺もあると便利です。
買い出しのタイミングは、道志みちに入ると長距離にわたって買い出しができない区間が続くため、三ヶ木周辺で済ませてから向かうのが基本です。忘れ物があった場合の駆け込み用として、道志村内のローソンの場所も事前に把握しておきたいところです。予約が必要な時期の確認や当日の川の状況確認のために、管理人宅の電話番号を事前にメモしておくと、いざというときに慌てずに済みます。
料金は入場料、駐車料、サイト使用料を合わせてもソロで3000円弱と比較的リーズナブルで、三ヶ木周辺での買い出しや道志の湯での入浴とあわせて計画すれば、コストを抑えながら満足度の高いソロキャンプを組み立てられます。
区画が整った高規格キャンプ場でのんびり過ごしたい人には、大栗オートキャンプ場の簡素な設備はやや物足りなく映るかもしれません。反対に、地面に直接火を焚く感触や、水洗ではないトイレも含めて自然の中にいることを実感したい人にとっては、この不便さそのものが価値になります。道志川の水音を聞きながら一人で薪をくべる時間を求めているなら、大栗オートキャンプ場は候補に入れておいて損はない場所です。








